The Float

Nikki of タンザニア キリマンジャロ州 Oshara Secondary School と音楽その他

ブーヴィルにて。またはぼくらが旅に出る理由

誰にも知られない土地に行く必要があった。

 

知り合いと連絡を断ち、インターネットを捨て、ただ自分と話し合う時間が必要だった。

 

そういえば、「書を捨てよ町へ出よう」なんて寺山修司は言っていた。現代なら「インターネットを捨てよ街へ出よう」なんだろうか。今ならネットでどこにいっても孤独を紛らわすことができる。僕には、打ちのめしてくれるような孤独が必要で、ただあてもなく見知らぬ土地を歩いてみたかった。

 

 恐らく、人生で最後の”若者”と呼ばれる時期の、目的のない旅になるだろう。ウディ・ガスリーの鉄道の旅ように、ゲバラのモータサイクルダイアリーのように、もしかしたら旅先で何かが起こって、永遠に自分を変えてしまうかもしれない。冒険。考えてみれば、それらの冒険への憧れは常に心にあった。イージーライダー明日に向かって撃てアイム・ノット・ゼアのディラン、ロードムービーのような冒険を夢見て。

 

見知らぬ土地に、一体なにがあるのか、自分がどう変わっていくのか、日記に書いておこう。「正確さ」が重要だ。なるべく正確に感じたことを文章にできるように。へんに美文を書こうなんて思っちゃいけない。ただ、正確に。

 

バスが来た。最初の行く先はコンドア。世界遺産のある街。

 

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