The Float

Nikki of タンザニア キリマンジャロ州 Oshara Secondary School と音楽その他

School of Soul

 

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ラジオの方じゃないよ。

 

職探しのために友人に化けて、先生として採用、時間の無駄だという生徒にロックを教え込み、生徒もだんだんロックを使って自己表現をしていく。

 

という大好きな映画。

 

せっかく先生としてタンザニアにいるんだし、生徒と音楽をやりたい、とはずっと思っていた。

今までなにかと忙しくて手が回ってなかったのだが、一年近くかけてとうとう決心した。

 

朝会にて

「今日から音楽のクラスをやる。やる気のあるやつだけ放課後に来い。途中参加、途中帰宅は認めない。毎週月曜の練習は必須だ!」と、タンザニアにしてはド厳しい言葉で募集。

 

結果10人くらい集まり、お、ちょうどいい人数になった、と内心ホッとした。

 

 

 

ここでタンザニアのミュージックシーンについて解説しよう。

現在、若者のメインカルチャーのポップアイコンとして存在するのが、この人Diamond Platnumz

Diamond Platnumz - Utanipenda (Lyric with English Translation Video) - YouTube

 

若者のポップアイコンとして、この人を外せない。

髪型、服装など、この人が流行を左右しているといって過言ではなく、ブルーカラーホワイトカラー(まあそもそも多くはないが)問わず、みんな知っているといって間違いないだろう。

タンザニアンミュージックの特徴としては

  • ラブソングが多い
  • ダンスナンバー
  • 「打ち込みにラッパー」形式が多い
  • ルーツはヒップホップっぽい
  • なんちゃってレゲエ

と言った感じ。実は、フェラ・クティの出身国ナイジェリアからの輸入音楽の影響が強く、ナイジェリアを通して間接的にヒップホップ的要素を得ている。

 

 

そして、忘れてはいけないことが、タンザニアメインカルチャーとしての音楽は、「踊れること」が必須条件なのである。

もはやこの国では踊れなければ音楽でないといって過言はなく、実験でモダンジャズを聞かせた時はポッカーーーンとしていた。

 

「踊る」ことがもはや日常であるこの国。僕は何回か近くのクラブに行ってみたことがある。

男女を問わず 「ソレ」はとてつもなく性的で、暗喩とでも言おうか、というか隠していないので暗喩ではないのだ。エルヴィスもびっくり、JBよりもっと原始的。股割りなんかしないでひたすら励む。

 

次にPVを見てもらいたい。 

生徒たちに大人気の曲

Robert Amarula - YouTube

タンザニアミュージック

BONGO FlAVA NEW SONGS( MIX 2013) - YouTube

 

 

 

お分かりいただけたであろうか・・・・。

大体の音楽に共通して

  • グラサン
  • ギャングスタヒップホップ(みたいなもの)
  • 踊るグラマーな女(腹が出てる場合もあり)
  • グラサンとグラマーが喧嘩する
  • 白人登場(なんで?)
  • 唐突に出てくるピカピカの車(なんで?)
  • 脱ぎたがり
  • 服がしまむら系かジーンズメイト

というPVである。

僕が高校時代毎週撮っていた「ベストヒットUSA」という番組で、Top20を紹介するときにこんなPVよく流れてた。(俺はラッパーが出過ぎで観るのをやめた)

 

こんな焼きまわしのPVを延々とがんがん流しながら10時間ほどバス移動する辛さたるや・・・。座り疲れた時はひたすらグラマーを凝視している。

 

 

 

本音はやはり

いやー、つまらない。タンザニアミュージックつまらない。つまるところセックスしたいとしか聞こえないのだ。もっと言えば、セミの鳴き声かコオロギの鳴き声がメスを呼ぶのと根本的に違わない。

 

そこではっ!と気づく。

黒人そのものがすげえんじゃなくて、アフリカン・アメリカンの作った音楽が素晴らしいのは、創作の根幹に差別に起因した経験があるからなのかもしれない。特に公民権運動が盛んだった時期、60,70年代はまさに名盤ザクザクだし、ヒップホップ黎明期の作品 F**k the PoliceやらFight the Powerやら、ヒップホップ好きでない僕でもかっこいいと思う。

 

ちゃうねんちゃうねん。音楽ってもっとパーソナルな自己表現なんだよ。白人コンプレックスとか出さんでいいから、急にピカピカのBMWとか出さなくていいから!

 

そんなこんなでクラスの課題曲。

やっぱり自己表現っつたらソウルだよな、と思い課題曲をリストにしてみる。

 

Respect

私がほしいのは、ほんのちょーっとのリスペクトなのよ!!

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アフロかっこいいやんけと思い知らすためのスライ

I Want to Take You Higher

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白人コンプなんかぶっ壊してやる。

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ゴスペルもいいかもと思い入れたMan in the Mirror

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全部聞かせて選ばせた結果、Man in the Mirrorに決定。さすがマイケル好きの国。

 

実際に練習してみる。

 

おお・・・・。

アフリカの多くの国でアジア人が皆カンフーの達人だと思われているが、俺も黒人皆アレサ・フランクリンかと思っていた。

 

 

見事なリズム感皆無。俺かよ!!!

 

とりあえず拍子と裏表の勉強から始めることにしましょう。。。

 

いやー、スライやりたいなぁ。しかしまあ楽器が皆無・・・・。